認知症ケアを教えたいを形にする難しさにお答え!『認知症ケアができる人材の育て方』田中元
今回は介護福祉ジャーナリスト田中元さん著書の『認知症ケアができる人材の育て方』を紹介します。
人材を育てるという視点で認知症に対してのアプローチを丁寧に説明されています。
新人や後輩職員へ認知症対応を説明・指導する場面で いざ、実践の中で育んできた技術を言語化して話すのは難しいものです。
“自己の知識を整理する上で”又、“新人教育のツールとして”役立つ内容になっています。
認知症介護を指導する立場にあたる人にとっては必読の一冊だと思います。
この本の説明
Amazon紹介欄
内容(「BOOK」データベースより)
増え続ける認知症高齢者、今後、認知症の人に対する接し方の知識は、介護の必須知識であるだけでなく、間違いなく社会人の新常識になる日が来る!誰でも理解できる、ゼロからわかる認知症ケアの基礎知識と人づくりの進め方、チームケアでの活かし方などをすべて図解、イラストで詳しく解説した。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中 元
昭和37年群馬県出身。介護福祉ジャーナリスト。立教大学法学部卒業。出版社勤務後、雑誌・書籍の編集業務を経てフリーに。主に高齢者の自立・介護等をテーマとした取材、執筆、介護問題等でのラジオ・テレビのコメンテーター、講演等を精力的におこなっている。現場を徹底取材した上での具体的問題提起、わかりやすい解説には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
この本を読んでみて
内容構成
前半『認知症の基礎知識』
中盤『実践での認知症への基本的な考え方と対応』
後半『指導のポイントと様々な教育ツールの紹介』
各章の間にはコラムが入る形となっています。
前半から中盤にかけては認知症の基礎的な知識のおさらいや抑えておくべきポイントが書かれており 教育・指導者としての知識の復讐や基礎固めとして役立ちました。
後半は、教育・指導するにあたっての取り組み方のポイントや認知症ケアのトレーニング方法・現場で使えるの認知症ケアのツールの紹介に関して記載しており 自分や施設に合ったモノを選定して活用していくのがオススメだと感じました。
おすすめポイント
ポイント①『“洞察力”“課題解決思考力”“自称力”の3つの要素で説明』
本書では認知症ケアに求められるスキルのベースとして“洞察力”“課題解決思考力”“自省力”を挙げおり、更に一貫して3つのスキルを軸に説明されており とても分かり易く書かれています。又、図やイラストで補足説明されており視覚的に情報が取れる事も分かり易さを更に際立たせています。
ポイント②『コラム欄での具体的対処法が凄くためになる!』
“認知症の人の「作話」などにどう対応していくか?”“「何度も繰り返される話」の中にケアのヒントがある!”などケアを行う中でよく遭遇する場面での対応方法や考え方などを一例として紹介されており 自分があたった場面を想定し比較する事で今後のケアの参考になり凄くためになりました。
ポイント③『自他共に使えるトレーニング方法の紹介』
指導していくトレーニング内容として活用できる事はもとより自分自身のトレーニングとしても使えるトレーニングを多数紹介されています。
“「自省力」を鍛えるポイントとは何か?”では抽象的で実施するには困難な“自省力”のトレーニング方法を実施しやすい形に変化させ解説されています。
まとめ
・自分の認知症ケアのスキルはどの程度なのか知るモノサシとして。
・認知症の多角的な知識を得る材料として。
・今後の認知症教育のスキルアップの為。
など様々な活用ができる一冊だと思います。
介護福祉士での教科書的知識から更にステップアップする方へ認知症対応での実践的教科書として一読して欲しい本だと感じました。
認知症介護をレベルアップする上で、参考にしてみてはいかがでしょうか。
今回紹介した本はこちらです。