ゴン太郎 no 介護!

25年間での介護福祉士・ケアマネジャー・施設リスクマネジャーの経験を通して培った専門的知識・経験や持論を基に介護の情報を発信していきます。ご家庭で業務や施設教育に役立てて下さい。

リーダーが変われば現場が変わる!必要な知識と技術のポイント満載!『介護リーダーの超技法』高口光子

今回は理学療法士から介護職への異色の転身の経歴がある高口光子さん著書『介護リーダーの超技法』本の紹介を行います。

本書は介護リーダーの業務とは どの様に取り組んでいけば良いのか具体的な手順から望ましいスタンス・マインドまで、介護リーダーになった方の取っ掛かりとして役立つ事はもとより すでに介護リーダーをされている方も自己の業務の見直しに役立つ一冊になっています。

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この本の説明

Amazon紹介欄

内容(「BOOK」データベースより)

はじめてリーダーからベテランリーダーまで介護現場で必要な知識と技術のポイントがわかる介護リーダー必携の1冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

高口 光子

横浜市生まれ。門司港で育つ。1982年、高知医療学院理学療法学科を卒業後、老人病院に理学療法士として勤務。1995年、ヘッドハンティングされて特別養護老人ホーム「シルバー日吉」へ。理学療法士から介護職への転身が話題となる。2002年、老人保健施設「ききょうの郷」へ。2007年より介護老人保健施設鶴舞乃城」の看・介護部長。介護アドバイザーとしても全国各地で講演活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

この本を読んでみて

内容構成

前半『中間管理職として知っておくべきこと・やるべきこと』と題して

  • “組織図”“配置図”を軸に自己の組織を知り自分がその中のどのポジションを担っているか知る。
  • 看護職の“医療モデル”と介護職の“生活モデル”考え方の具体的な違いや それに対しての取り組み方。
  • 介護リーダーとしてのリーダーシップのとりかたの紹介。

 

中盤『リーダー(施設)が目指すケアとは?』と題して

  • 業務改善の必要性の説明。
  • 『入浴ケア』『食事ケア』『排泄ケア』を例に進め方の紹介。

 

後半『介護保険施設のケアマネジメントとは?』

  • 申し送り方法委員会や会議などを自分の施設にあった形でのシステムの構築する方法。
  • 委員会会議のスムーズに実施する為のコツ。
  • 『業務マニュアル』の作成

 

実際に読んでみて、介護リーダーになった人にとっての「リーダーの業務は何があって何をすればくらいは分かっているんだけど、はたして それだけでイイんだろうか?」との疑問に答えてくれる内容になっている様に感じました。


介護リーダーが持っておくマインド・スタンスから実際の業務上での取組みを具体的な形で紹介されているので、リーダーの業務が事務的な作業にならず 施設の中での役割に合った業務遂行に繋がる手助けになるのではないでしょうか。

 

おすすめポイント

ポイント①『介護リーダー進め方がわかり易い』

 介護リーダーに就任してまず実際の事務的処理の習得に走りがちですが、本書の“中間管理職になって最初に着手することは?”の項目では “組織図” “配置図” を通して まずは介護リーダーの立ち位置を自他共に明確にする事からスタートすると書かれています。
その後、“部下の仕事量を調整するには?”か“医療モデル、生活モデルの具体的な違いは?”へと話が繋がっていき 新任介護リーダーにとっても段階的に介護リーダーの仕事を分かり易く理論的に進めるにはとても参考になると思いました。

 

ポイント②『業務改革を通し大きな視点を養える』

  本書では介護リーダーとして現場へ働きかける具体的なアプローチの第一歩として “より良い環境作り” や “現状を省みる作業” としての業務改善を勧めており 更にその中でも取り組みやすい “入浴ケア” “食事ケア” “排泄ケア” の3つを挙げられてます。
実際の現場への取り組みを通し介護リーダーとしての視点や周囲との関係性を養うには良い動きかと私は感じました。


ポイント③『委員会や会議・申し送りなど業務システムの取り回しのノウハウが紹介されている』

  “会議” や “申し送り” の必要性についての話から始まり “運営しやすい会議の条件” や “会議への事前準備の実施方法とポイント” 更に、委員会や会議の効率的でスムーズな進め方の紹介と進んでおり これも段階的に説明されていて とても分かり易く 実際に委員会等をとりまわしている私にとっても取り組み方を整理する上でもとても参考になりました。

 

まとめ

本書のセールスポイントとして

  • 介護リーダーのスタンスやアプローチを段階的に説明されている。
  • 具体的な行動を指定し説明されておりシンプルに取り組みに繋げやすい。
  • ”組織図・配置図の把握” ”業務改善の実施” ”委員会・会議の運営” と一通りの介護リーダーの取り組みのポイントが押さえられている。

が挙げられます。

 

本書は 最後に介護リーダーの中間管理職での立場のマイナス面に捕らわれず中間の立場をプラス面で捉え有効利用していく様 話され締めくくられていました。
介護リーダーとしての知識を定着させ周囲に振り回されず建設的にリーダーの業務を遂行するベースとして役立つのではないかと感じました。

 

又、施設として新任介護リーダーの研修材料とするのも良いかと思いました。

 
今回紹介した本はこちらです。