ゴン太郎 no 介護!

25年間での介護福祉士・ケアマネジャー・施設リスクマネジャーの経験を通して培った専門的知識・経験や持論を基に介護の情報を発信していきます。ご家庭で業務や施設教育に役立てて下さい。

アラサー男性が積み上げてきた超現実的な在宅介護マニュアル『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』奥村シンゴ

 今回は奥村シンゴさんの著書『おばあちゃんは、ぼくがかいごします。』を紹介します。

本書は一般の30代の青年が在宅介護の世界に飛び込み、実際に祖母の介護に関わる中で培った視点から積み上げてきた情報の数々が包み隠さず紹介されています。

本書の特徴は、介護初心者が在宅介護に挑むにあたり どんな事を思い・どんな所に躓きを感じるかを知るだけでなく その疑問点の一つ一つを独自の視点で調べ上げ答えを導き出している点にあると思います。

実際に介護に携わる家族に寄り添った知識が書かれており説明も介護初心者でも分かり易く、実際に在宅介護に踏み出すにあたり不安な方は基より 介護に不安を抱えた家族に寄り添った考えを深める上で介護従事者にも参考になる一冊だと感じました。

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笑いあり、涙あり、介護漫画が盛り沢山 ♪『親のパンツに名前を書くとき』北川なつ

 今回は北川なつさん作の漫画『親のパンツに名前を書くとき』を紹介します。

本書は 着飾らないリアルな介護の日常をほのぼのしたタッチで描かれており、笑いあり涙ありの作品になってます。

内容は 作者や投稿者の実体験を基にしており、キレイごとでまとめた感もなく凄く素直に読めました。

 介護での ”あるある” や、気付かなかった発見もあり 様々な角度での介護の世界を味わえる一冊だと思います。

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おむつを中心に介護を変えてみてはいかがでしょうか?『おむつを外し尿失禁を改善する』竹内孝仁・藤尾祐子

今回は 竹内孝仁さんの著書『おむつを外し尿失禁を改善する』を紹介します。 

本書は排泄を ”医学的・科学的な視点” ”使用者の視点” ”倫理的・合理的な視点” など多角的な分析することから ”脱おむつ” の実現への取り組み方を紹介されています。

本書の面白いところは ”排泄介護” から被介護者を取り巻く介護環境全体を考えており、提唱されている理論が理想的なライフスタイル・介護環境まで広がります。

注目すべきは、理論を実践した施設で ”おむつゼロ” の実績結果を出している事例を数多く輩出して信憑性を高めている点です。

本書を例えて言うなれば、家を建てるコンセプトを「リビングを中心に~」とか「キッチンを中心に~」とか組み上げていく様に、介護全体を ”排泄” を中心に考えていく発想が 個人的に多くの事を気付かせてくれました。

 現在の排泄介護に疑問を持っている方や排泄介護の知識を深めたい方・「介護の発想が凝り固まっってるな」と行き詰っている方など、是非とも読んで貰いたい一冊です。

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一人の介護のプロに纏わる一つの施設のお話し『プロフェッショナル介護人』木下博之

今回は 木下博之さんの著書『プロフェッショナル介護人』を紹介します。 

本書は施設運営を通して出会った ”プロフェッショナル介護人=布施君江さん(施設長)” と布施君江さんとの関りで得た著者自身(社長)の介護論を自身の施設でのエピソードを基に語られている内容になっています。

 

最初に読んだ印象としては施設・上司・利用者共に理想形で非の打ち所のない施設運営像があり、失敗続きで試行錯誤の連続の私の環境と懸け離れており 個人的には 少し入り込みにくく感じました。しかし、内容はどれも正論であり ”理想的な上司モデル・環境モデルの参考として” ”当たり前の基準を見出す物差しとして” 自分の取り巻く環境を見直す良い材料に役立つのではと感じました。

 

理想的な上司に恵まれていない方、理想的な上司・施設を目指している方 など使える1冊になるのではないでしょうか。

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あたりまえ!が、あたりまえじゃない?『まちがいだらけの老人介護』船瀬俊介

今回は 医療ジャーナリストの船瀬俊介さんの著書『まちがいだらけの老人介護』を紹介します。

この本を一言でいえば ”過激な福祉論!

日本の介護現場における慣習的な考え方に対して 諸外国の福祉の現場と比較し常識に囚われない視点で 固定概念に一石を投じる内容になってます。

福祉・高齢者医療の仕事に行き詰まりや疑問を感じている方や、福祉に対して新たな考え方や多角的な視点を求めている人にとって 刺激となる一冊だと思います。 

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サクッと漫画で超多重介護生活を覗き見!『半ダース介護』井上きみどり

今回は、漫画家でコラムニストの井上きみどり氏の著書『半ダース介護』を紹介します。

一人の多重介護者のリアルな体験談が漫画で分かり易く 面白おかしく書かれていました。

サクッとライトに読める中にも所々で奥が深い内容になっており、介護従事者の知識を深めるもよし、エピソード談として楽しむもよし 構えず読んでみる事を お勧めします。

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自らも認知症になった専門医の見えてきた視界を体感!『ボクはやっと認知症のことがわかった』長谷川和夫

今回は、長谷川和夫氏と猪熊律子さん の著書『ボクはやっと認知症のことがわかった』を紹介します。

認知症の方と接する介護職としては馴染みの深い 認知症の判断するための簡易ツールHDS-R(長谷川式認知症スケール)。その開発者である長谷川先生が自らも認知症になられた事は有名ですが、この本は 認知症・医療・介護で第一線を歩いてこられた視点や 実際に認知症になった者としての視点を 自叙伝的な切り口で語られてます。

認知症と接する者としては 色んな意味で勉強になる一冊ではないでしょうか。

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